海外から銀行振り込みでお金を送ってもらうときに、IBANコードやら支店番号やらで色々とモメた話。同様の事例で困っている人の参考になれば。
また、銀行コードや中継銀行など、海外送金の手続きの必須事項は「【SWIFT・IBANコード】海外送金の手続きに必要な情報まとめ【中継銀行】」にまとめましたので、こちらもご覧ください。
IBANコード? そんなものはない
アメリカの、とある機関から日本へ送金をしてもらいたかったんですよね。金額にして13万円くらい。
その機関のシステムを通して必要事項を入力すると、先方が銀行を通じて送ってくれるはずだった。
国際間の送金だから、国内間のやり取りに比べて、必要な情報が多いんですよね。
例えば、IBANコード。
IBANコードというのは、International Bank Account Numberの略で、ヨーロッパ・中東を中心に使われている統一規格。アルファベットと数字のコードで、それを見ればどこの国のどこの金融機関の何支店のどの口座なのか、一目でわかる。国ごとに銀行システムが違うと取引がしづらいため、ヨーロッパで始められたらしい。
システムのIBANコード欄には、国コードとかを色々調べて入れたつもりだったんだけど、何か勘違いして違ったものを入力してたみたい。それどころかアメリカの担当者から来たメールは、
「そもそも日本はIBANコード使ってないねーぜ」
すべての国がIBANコードを利用しているわけではなくて、日本もIBANコードは使っていないんですね。サーセン。
という感じで銀行システムの違いもありなかなかうまくいかない中(他の件については下の方参照)、何とかディレクターとかいう偉そうな人からメールが来たわけですよ。
おそらく、振り込みがなかなかできないからボスのところに話が言ったんですね。
この人は日本の銀行のことで、送って来たメールの内容は、
「IBANコードを送ってくれ」
は?
いやいや、日本にIBANコードはねえって言ったのあんたの部署だよ。
しかもほら、銀行の英語版ホームページも送るから見て見て!
IBANコードは不要って書いてあるでしょ?
だめだ、この人ぜーーーーんぜん話聞いてくれない。
英語だけどキレてるのが分かるレベルで、
「そんなわけねえだろ。さっさとIBANコード送れや」
って言ってくる始末。
ならば、日本がIBANコードを使っていないという証拠を、できる限り集めて送りつけてやろう。
調べてみると、IBANコードは、SWIFTという団体が公式に登録してることを発見。
SWIFTのホームページから、IBANコードリストの公式ファイルを見つけました。
このホームページ
IBAN (International Bank Account Number) | SWIFT
の「IBAN Registry」にある、このpdf
https://www.swift.com/sites/default/files/resources/iban_registry.pdf
です。
このファイル(プラス他のIBANコードリスト3つ)を送ったら、IBANコードについてはようやく分かってくれました。
色々調べてみたら、IBANコードでトラブってる人多いみたい。
でもいくら検索しても、「日本はIBANコードを使ってない」と明確に書いてあるページは見つからなかったんです。
だから、ここではっきり言っておく。
日本にはIBANコードねえから
証拠はさっきのSWIFTのpdfファイル。公式のリストに載ってないんだから、無いんです。
「IBANコードを出せ」としつこく言われてる人は、このファイルを見せれば分かってくれると思います。
もう一度言う。
日本にはIBANコードはありません
ゆうちょ銀行でダメ
IBANコード以外にも手間がかかった点。
最初は受取口座をゆうちょ銀行で申請してたんです。
ゆうちょ銀行に海外から送金する場合、支店番号が要らないらしい。
なので、支店番号は空欄にしていました。
アメリカの担当者にも、ゆうちょ銀行については支店番号は不要だと伝えたんだけど、支店番号が空欄だとシステム上都合が悪いのか、「銀行に電話して支店番号が無いのかどうかを聞いてくれ」って言われちゃったのでゆうちょ銀行に電話しました。
僕「海外からの送金のページによると支店番号は送金には必要ないと思うんですけど、先方が支店番号が無いのかどうかを気にしているのですが」
ゆうちょ銀行「海外からの送金はホームページに記載の情報のみで充分ですので、支店番号は必要ございません」
僕「支店番号は無いんですかね?」
ゆうちょ銀行「そうですね、海外からの送金はホームページに記載の情報のみで充分ですので、支店番号は必要ございません」
いや、それさっき聞いたよね?
もしかして、まだ自動音声終わってなかったのかな?
必要かどうかじゃなくて、存在するかしないかを聞いているんだけど。。。
ってか必要ないこと自体は知ってるって言ってるじゃん。
東京三菱UFJに切り替え。ハイフンが問題?
もうだめだと思ったので、ゆうちょ銀行から東京三菱UFJにスイッチ。
この時点でIBANナンバーの問題は解決してたのだが、別の問題が発生。
外国送金のお受け取り | 三菱東京UFJ銀行にある通り、口座番号の欄には「支店番号 プラス ハイフン プラス 口座番号」を入力。
したのだが、また例のボスからメールが:
「お前が入力したのは日本バージョンの口座番号だ。イングリッシュバージョンの口座番号を入力せよ」
ん?数字とハイフンしか書いてないんだけど。日本バージョンもイングリッシュバージョンもねーだろ。
で、どうしようもなくなったのでUFJに電話。
僕「かくかくしかじかで今こういう状況なんですけど、口座番号にイングリッシュバージョンとかあるんですかね?」
UFJ「そんなものはありません。その情報で送金できるはずなんですけど。」
僕「でも、あちらは上手くいかないって言ってるんですが。」
UFJ「何のエラー出ているのか確認してもらった方がよいですね。もしかして、ハイフンが問題なのでは?」
確かに、システムを通して入力しているのでハイフンが何かしらの問題を起こしている可能性が。
というわけで、システムではなくボスに直接「口座番号は○○○‐○○○○○○なんだけど、ハイフンがエラー起こしてないか?」とメールしたら
ボス「O.K.」
無事に振り込まれました。終わり
じゃねーだろ。
何でエラーだったのかを説明しろや。
原因が分からんやないかい。
というわけで、結局何が問題だったか分からないんですけど、状況的に見てハイフンで引っ掛かってた可能性が高いです。
UFJの電話対応が非常に丁寧で助かりました。
UFJの良い点はもう1つあって、それは仲介銀行(Intermediary Bank)を指定しなくてよいところ。
海外の銀行から自分の指定した銀行へは、お金を直接送れないこともあります。
そのときには、一旦仲介銀行を経由して自分の銀行に送るので、仲介銀行の情報を入力する必要があるし、仲介銀行のコードとか支店番号うんぬんで更にトラブる可能性もある。
だけど、UFJには仲介銀行は必要ありません。銀行名・SWIFTコード・支店番号・口座番号・受取人氏名だけの必要最低限の情報で送金を受け取れます。
うん、簡単でよろしい。
1つ不満なのは、外国送金のお受け取り | 三菱東京UFJ銀行に英語版が無いことかな。
いや、多分あるにはあるんだろうけど、すぐに出てこなくて分かりづらいから、このページに直接リンクしてほしい。
ゆうちょ銀行のホームページは、この点については良かったですね。
UFJの口座を作ったのはかなり前のことで、今の家の近くには店舗が無いから解約してもいいかなっと思ってたけど、これがあって助かった。
今度から国際送金のときには、最初からこっちにしよう。
結論:現金でくれ
後日
無事に振り込まれてから1週間ほどたって、UFJ銀行から「外国送金・本支店間外貨送金計算書」というのが送られてきました。
通帳には最終的に振り込まれた額しか記載されませんが、この書類には何ドルをどのくらいの為替で交換して、手数料がどれほどかかったかが書いてあります。
今回のケースだと、12万ほどの受け取りで手数料が1500円!
事前に調べた情報で、3000円以上はかかると思ってたので安くてびっくり!
東京三菱UFJだと中継銀行が必要ないので、その分安いってことですかね?
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