楽しみながら教養が身につくマンガのおすすめリストです。
僕が実際に読んだものから選んでいるので、自信を持って勧められるものばかりです。
もやしもん
人類が知らないことが山積みの菌類にスポットを当てた作品です。
主人公は、菌を肉眼で見ることができる特殊能力を持った少年。この主人公が農業大学で、ある教授と菌について学んでいくキャンパスライフの物語。
その教授の目的は、宇宙をその手に収めること!
教授は言います。
「農学は人類の歴史であり、地球の全てを知る学問である。微生物の世界を制覇できれば、時以外の全宇宙を制覇したのと同じだ」
マンガでは発酵食品を中心に、人間の皮膚にいる常在菌やキノコなど色々な菌が取り上げられます。
情報量が非常に多く、まじめに読むと一冊読むのにも結構時間がかかる!
人間がどれだけ菌から恩恵(or被害)を受けているか、この世界がどれだけ菌に満ち満ちているか、よく分かりました。
「菌を制すれば宇宙を制す」というのも、あながち嘘とは言えないなと思えてきます。
発酵食品の中では、お酒がよく出てきます。
主人公の親友が酒蔵の息子なので特に日本酒の話が多いですが、他にもビール、泡盛、ワインなどなど。
作り方や歴史、お酒の細かい分類や法律、社会問題まで、とにかく扱うトピックが広いので、お酒好きな人にもおすすめです。
- 色々な菌について、特に酵母のはたらき
- 発酵食品・お酒の作り方や歴史
バーテンダー
その名の通り、バーテンダーが主人公のマンガ。
悩んでいる人を「魂の一杯」(カクテル)で癒し、問題を解決するのが大体のストーリー。
このマンガから得られる知識で多いのは、やはりカクテルのこと。
誰がどこで考案したのか、カクテルができたエピソードや背景、名前に込められた意味や思い。
カクテルって種類がべらぼうに多いし、いままでなんとなーくカクテルを選んできた人もいっぱいいるでしょう。
でもこのマンガを読めば、カクテルの一つ一つの顔が見えてきて面白いと思います。
洋酒ではウイスキーの話もちょいちょい出てきます。主人公が「ニッカウイスキー余市蒸留所」を見学する話もありますし。
が、お酒そのものの製法など「造る」ことについてはあまり触れていません。お酒自体の製法について、は上で紹介した『もやしもん』の方が詳しいですね。
『バーテンダー』はカクテルを「飲んで楽しむ」という方に重心を置いています。
今まで居酒屋でしか飲んだことないよって方は読んでみてはどうでしょうか?
読み終わったら絶対バーに行きたくなります!
このマンガで学べること
- カクテルやスピリッツ(ウイスキーやジンなど)の作り方、由来や歴史
- バーの歴史や基本的なマナーについて
- バーテンダーという生き方
王様の仕立て屋
イタリアで働く日本人の仕立て屋が主人公のマンガ。
多くの人はフルオーダーで仕立てを頼むこともなく、仕立て屋に興味もないかもしれませんが、既製品のスーツを着こなすのにも役立つ内容がぎっしり。
なにより、「ファッションに対する心構え」というものが、綿密な取材に裏付けられたストーリーを通してひしひしと伝わってきます。
今まで適当にスーツを着ていた人は、考え方ががらっと変わるに違いない!
スーツのほか、スーツとは切っても切り離せない靴や時計の話題も網羅していて、全体的にファッションを学ぶことができます。
あくまでメインは紳士服ですが、ジーンズなどのカジュアル服もちょくちょく取り上げられます。特に、実在する「児島ジーンズ」にマンガのキャラクターが訪問する話があり、ファン必見です。
毎日スーツを着るビジネスマンや、学生気分を卒業して少し大人になってみようかなと思ってる人には是非読んでいただきたい。
ちなみに、残念ながら女性のファッションはほとんど扱っていません。
『王様の仕立て屋』の好きな名言を「『王様の仕立て屋』名言集」でまとめていますので、こちらもどうぞ。
このマンガで学べること
- ファッション、特に紳士服について
- エレガンテな紳士の振る舞い
ゴルゴ13
ご存じ、超凄腕スナイパーのゴルゴ13。
読んだことない人は「超人が敵をぶち殺すだけの暗殺マンガで何が学べるの?」って思うかもしれませんが、暗殺の背景として現実世界の社会情勢を反映させているので、知らず知らずのうちに世界情勢の知識が頭に入ってくるんです。
あとゴルゴが実践しているサバイバル技術や暗殺術にも一々解説が入るので、得られる知識の範囲は他のマンガと比べてもかなり広いです。
その分、文字数も多いので読むのはちょっと大変ですが、雑学を色々と仕入れることができますよ。
ゴルゴ13はなんと50年も連載されていて、単行本は200巻を超えました。
ですが1話完結の物語ですので、どこから読んでもストーリー上何の問題もないですし、むしろ最新刊の方が時事問題を楽しめます。
- 政治・経済・軍事を始めとした社会情勢
- サバイバル技術や暗殺術
ギャラリーフェイク
表では贋作専門の美術商を営みながら、裏では真作を売りさばく元キュレーター(美術館の学芸員)の物語。
白黒のページであるマンガでは絵の命である色使いまで分からないので、芸術の話をマンガとして楽しめるのかなと思っていたんですけど杞憂でした。
白黒でもめちゃめちゃ面白くて勉強になります。
もちろん贋作の見分け方とか、国宝の修復のやり方とか、そういう技術的な話は全く分かりませんが、古今東西の芸術・芸術家の面白い話がたっぷり詰まっています。
絵画を中心に、宝石や古代文明の骨董品、化石、陶器など地球上のありとあらゆる芸術品を扱っているので、好きなジャンルが1つ見つかるはず。
美術に興味はあるけど、正直全然分からんと思っていた僕でしたが、このマンガを読んで美術に俄然触れていたくなりました。
芸術を楽しむきっかけとしてはぴったりのマンガで、人生を豊かにする趣味を見つけたい人におすすめです。
ちなみに、マンガ中に生きて出てくる芸術家はフィクションなので、調べても存在しません。
実在する芸術家は故人としてしか出てきませんので、そこは間違えないよう注意。
ギャラリーフェイクを読んで美術に興味が出てきたら、「素人でも大丈夫! 美術初心者には印象派がハードルが低くてオススメな2つの理由 」も是非。
このマンガで学べること
- 芸術家や芸術全般の知識
- 考古学、昔の文明について
日本人の知らない日本語
日本語学校の教師のコミックエッセイ。
外国人に日本語を教える中で生まれた質問や、日本語学校の生活をネタにしたマンガです。
外国人には(日本人にとっても)難しい敬語や語法など、実用的な知識はもちろんですが、知的好奇心が満たされる話題も多い。
例えば、
- なぜひらがなには同じ音なのに「お」と「を」の2つがあるのか
- 「一ヶ月」の「ヶ」は実は漢字だった
- なぜマンガの中国人キャラクターは語尾「アル」なのか
などなど。
日本人には思いもつかない面白い質問や思っていたけど答えを聞く機会がなかったような素朴な疑問を学生たちは次々に聞いてきて、それにいちいち答えてくれるので楽しいです。国語は今までにそれなりには勉強してきたはずですが、それでも勉強になることが多い!
ちなみに関連商品として『日本人の知らない日本語ドリル』というのも出ていますが、これはエッセイとかマンガとか全く関係なく、完全に普通の問題集です。
このマンガで学べること
- 日本語の歴史・用法
- 日本文化やマナー
- 外国人から見た日本・日本語
史記
中国の歴史マンガの巨匠、横山光輝の『史記』です。横山光輝と言えば『三国志』が有名ですが、今回はこちらを紹介しました。
その理由は、『史記』は『三国志』の3分の1ほどの分量なので読みやすいことが1つ(「史記」は文庫版で全11巻あります)。
その上、それだけの分量でありながら扱っている年代が広いため、教養という面で考えると史記の方がぴったりだと思ったからです。
実際、史記は紀元前700年ごろから紀元前200年ごろの前漢成立を経て、その後の前漢の前半の歴史を扱っています。
三国志は西暦200年ごろを中心とした100年間の物語なのに対し、史記が扱う期間は500年以上にも及びます。
マンガの内容は、前半が春秋戦国時代、中盤が秦の成立とその崩壊の時代で、項羽と劉邦の物語はここに含まれており、後半は前漢の話です。
横山光輝はマンガ『項羽と劉邦』も書いていますが、マンガ『史記』に入っているのはそのダイジェスト版のようなものです。
「背水の陣」や「馬鹿」など、現代でも使われている多くの故事成語は史記には由来しています。
このような言葉がどういう物語から出てきたかということも学べる、内容が盛沢山の歴史マンガです。
このマンガで学べること
- 古代中国(春秋・戦国時代、秦、項羽と劉邦の戦い、前漢)の歴史
- 故事成語の由来
天地創造デザイン部
動物をネタにしたギャグ漫画。
天地を創造したものの、そこに住む動物を考えることがめんどくさくなった神様は、下請けに動物作成を依頼します。
依頼された会社のデザイン部は動物のデザインを担当するが、外見だけではなく実際に地球で生きられる機能も備えていなければならないため、折り合いが難しくなかなかアイデアが採用されない。
かと思ったら奇抜なアイデアが通り面白動物が誕生しちゃったりする。
2000年以降に新しく発見された生物も登場します。
ギャグ漫画だけど、最近の研究まで詳しくリサーチされているようです。
現存する動物の体の仕組みだけじゃなく、なんでペガサスやユニコーンが現実に存在しないのかの科学的な考察も面白い。
このマンガで学べること
- 動物の体の仕組み
マンガで分かる心療内科
この記事では、「マンガで分かる」系の本は除外しているのですが、『マンガで分かる心療内科』シリーズはギャグマンガとして面白すぎるので紹介。
心療内科、つまり人間のこころや、その病気のことが分かるマンガです。
医学をここまで笑えるネタにできるのかっていうほどぶっとんだギャグマンガですが、もちろん心療内科のことについては真面目。
なにせ原作者は現役の医者なので、説得力は抜群です。
一番のオススメはアドラー心理学編です。
もう10回近く読んでいます(笑)
数年前に流行ったアドラー心理学ですが、人間関係で悩んだり、生きにくいなと思ってる人は是非一回読んでみるべきです。
依存症編も役に立つ。
これをきっかけに、スマホから少しずつ離れるようになりました。
うつを癒す話の聞き方編は、普段の会話にとっても大事なことが書いてあります。
アドラー心理学編や依存症編、うつを癒す話の聞き方編も含めた『マンガで分かる心療内科』番外編シリーズをランキング形式で紹介した「『マンガで分かる心療内科』番外編ランキング 」では、内容もより詳しく紹介しています。
- 人間のこころやその病気について
- 楽になる生き方
マンガ ギリシア神話
英語でのコミュニケーションにおいて、ギリシャ神話・聖書・シェイクスピアは必須の一般教養と言われています。
なかでもギリシャ神話は、これらの中でも最も古く、ヨーロッパ人共通のルーツと言えるでしょう。
例えば、英語をはじめとしたヨーロッパの言語には、ギリシャ神話を語源とする単語が山ほどありますし、美術のモチーフとしても重要なので、ヨーロッパ芸術を楽しもうと思ったらギリシャ神話は必修科目です。
ギリシャ神話は登場人物も多く、最初から活字で読んだら大変なので、まずは是非マンガで読みましょう。
里中満智子著の『マンガ ギリシア神話』は、絵も綺麗でストーリーも分かりやすいのでオススメです。
ギリシャ神話というと、非常に長そうなイメージがありましたけど、このマンガは全8巻とコンパクトにまとまっており読みやすいです。
豊穣なギリシャ・ローマ神話の世界をもっと知りたい方は、こちらの「【西洋における必須の教養】ギリシャ・ローマ神話を楽しく学べる本まとめ 」もどうぞ。
- ギリシャ神話のストーリー・エピソード
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