色盲って知ってますか?
もしあまり知らないなら、全く人に伝わらないプレゼンや講演をし、全然読めない企画書を書いているかもしれません。
なぜか「しきもう」で「色盲」に変換できないので最近では「色覚異常」が正式名称として使われているので、以下それに従います。
なお僕自身は色覚異常はなく、ましてや医学に詳しいわけではないので間違っていたら指摘してほしい。
黒板で赤チョークを使ってはいけない?
この記事は、学校の授業に関するつぶやきを見たのがきっかけ。
昔は入学時に色覚検査を行っていた。今はやらない。でも、クラスには一人二人居ると思って指導する。
— ぽんた (@Pontamama12345) 2017年9月14日
「緑色の黒板では、赤色や緑色で文字を書くな」と初任者の頃厳しく指導された。「使うのは白色か黄色のチョーク。赤色は枠で囲む時だけ使う」などは常識だった。
今その常識すら失われつつある…
ざっくりいうと、色覚異常というのは、色の感じ方が普通の人と違うこと。
症状はいくつかあって人によっても違うんだけど、組み合わせによっては色の判別ができない。
例えば暖色系の2色が同じ色に見えてしまったりするので、緑の黒板に赤で書かれると非常に見づらいというわけですね。
ん、ちょっと待てよ?
これって学校の授業だけではなく、講演・プレゼンテーションのスライドや資料でも気をつけるべきことなんじゃないか?
僕も講演をよくするんだけど、こんなことは知らなかったし誰にも聞いたことがなかった。
「講演 注意」でググっても、検索上位は「色を使いわけて分かりやすくしましょう」みたいな内容ばっかり。
色覚異常の人にも分かって貰えるよう、色使いを注意しているものは無いですね。
じゃあ色覚異常の人はほとんどいないのかっていうと、そんなことはぜーんぜんない。
「色覚障害」とも呼ばれる「色盲」は黄色人種では男性の20人に1人(5%)、女性の500人に1人 (0.2%)に見られます(白人では男性の8%、黒人では男性の4%)。上記調査同時期の日本人男性は6,111万人、女性は6,359万人(平成8年 10月現在)ですから、色盲の人は約318万人となり、身体障害者の総計を越える数となっています。
多くの会議や講演では、聴衆に1人は色覚異常の方がいると思っていいレベルですね。
プレゼンの基本は、自分が決めたターゲットに、自分が伝えたいことを分かってもらうこと。
でもそのターゲットが色覚異常だったら?
最悪、伝わらないどころか何も読めない可能性もあるわけです。
男性5%・女性0.2%というのは日本人に限った話で、もっと割合が高い人種もいます。
外国人を相手にする場合にはより気を付けないといけないですね。
自分は色を使うことはあまりないんだけど(単にスライドを作りこむのがめんどくさいから)、うっかりやってしまったらまずいのと、周知のためにやってはいけないことを調べてまとめておく。
スライド・資料で気を付けること
もちろん全ての色が分からないわけではないが、見分けができない色があるのが色覚異常の症状。
なので基本方針は、
白黒で印刷しても意味が分かるスライド・資料を心がけること。
以下重要だと思った点を解説していきます。
区別のために色を使わない!
色が分からないと区別できないようなスライドは良くない。
例えばAとBの2つの線グラフを表示して比較するとしよう。
このとき、Aの線は赤、Bの線を緑としてはいけない。
どちらが赤でどちらが緑かの判別ができない人がいるかもしれないからですね。
マリオとルイージを思い浮かべってほしい。色を見なくてもシルエットだけで判別がつくでしょ?つまりそういうこと。
かたやチビデブかたやノッポと、兄弟とは思えないほど体格違うのは、それが理由だったんだね。任天堂はそこまで考えていたのかー。
つまりこういう場合は、Aを普通の赤い線、Bを緑の点線とすればよい。
これで、赤か緑かが分からなくても直線か点線かで判別ができる。
棒グラフなら、Aは赤で塗りつぶして、Bは緑だけど斜線で塗るなどして、要するに形だけを見て分かるようにするとよい。
色で強調するのはOK!
強調したい部分を色付けするだけならいいでしょう。文字自体は読めるわけですからね。
ただ、色付けして下線も引くとか、文字をでかくしたりすると色覚異常の人にも強調したいところが伝わるので、本当に重要なところはそうするべき。
もちろん、
「この赤の部分ですが、なぜ重要かというと~」
なーんていう説明をしだしたら台無しなので注意すべし。
そもそも組み合わせNGな色を使わない
基本的には暖色と暖色、寒色と寒色を組み合わせないこと。
例えば次のような組み合わせの色は、区別できない人が多いみたい。
- 赤と緑
- 黒と赤
- 青と紫
- 薄めのピンクと白
- オレンジと黄緑
まあでもここらへんは努力目標ですね。
イメージカラーのように簡単に変えられない色もあるわけですし。
白背景の黒文字の文章で強調しようと思ったら、大体赤に落ち着いちゃうもんね。
青だとだいぶ黒っぽいし。
緑でも目立たないし。
黄色はそもそも読めない。
使わざるを得ない場合もあるし、あまりこれにこだわりすぎて普通の人にとっての分かりやすさが減ったら元も子もないからね。
でも、黒っぽい背景に赤で字を書くとかは絶対NG
このような色の組み合わせを背景と字で使っちゃうと、字が読めなくなっちゃうからね。
背景と字にはコントラストの強い組み合わせをあてるべきです。
まとめ
色覚異常は珍しいものではありません。
カラフルなスライドを作るのもいいけれど、最低限みんなが読めるスライドにしましょう。